【電子書籍化】飼い犬(?)を愛でたところ塩対応婚約者だった騎士様が溺愛してくるようになりました。
(わわ、白銀隊の愛され癒し枠! ディン様! 弓の腕は超一流で、どんな長距離であろうと魔獣の急所を一撃で仕留める腕の持ち主なのよね!)
メルシアの推し活で培われた知識は、騎士団全体多岐にわたる。
その中でも、婦女子のあこがれが目の前に勢ぞろいしている事実に、メルシアは震える。
「あ~すまなかったな。バーナー・ロランだ」
メルシアの目の前に立った、バーナー。
背の小さいメルシアの立つ場所が、完全に日陰になる。
バーナーは筋骨隆々という言葉を体現しているようだ。
「ロラン卿……。誰も振るうことが出来ない大剣を片手で軽々と振るう姿、いつも感銘を受けておりました」
「お、ありがとな? あと、俺のことはバーナーと呼んでくれ?」
「はい! バーナー様、よろしくお願いします」
そして最後に、優雅にメルシアに礼をした、カルロス・ブロンセ。
「カルロス・ブロンセと申します。メルセンヌ伯爵令嬢にお会いできて光栄です。以後お見知りおきを」