【電子書籍化】飼い犬(?)を愛でたところ塩対応婚約者だった騎士様が溺愛してくるようになりました。
でも、外側からのランティスしか知らなかったメルシアが、それを受け入れることは出来ただろうか。
(推しの騎士様が、モフモフの大型犬に? ……なんですか、その展開)
「メルシア、すまない。君が望むなら、今度こそ婚約破棄を受け入れよう」
「なんですか、それ」
「メルシア?」
「…………推しの騎士様が、モフモフの大型犬に? なんですか! その素晴らしすぎる夢展開!!」
「…………は?」
まだ、信じられない気持ちでいっぱいなのだとしても、受け入れられないという気持ちがこれっぽっちも湧かないメルシア。
一つだけ、今すぐに伝えられるのは、推しへの大きすぎる愛だ。
「私は、どんなランティス様でも、大好きですよ?」
「――――メルシア」
「……大好きです! 遠くから見ているだけで、生きる気力になります。騎士として働いている姿、訓練している姿、あまりに尊いです。運良く近くで見られた時には、心臓が止まりそうになります。低い声は甘くて取っておきたいほどですし。え? その上、モフモフの大型犬に? 夢を具現化した存在。推しが尊すぎる!」
「………………恐縮だ」