【電子書籍化】飼い犬(?)を愛でたところ塩対応婚約者だった騎士様が溺愛してくるようになりました。
ベルトルトは、孤児院の少女シーナとメルシアを、人攫いから助けてくれてから、時々孤児院にお菓子やおもちゃ、衣服などを持って訪問してくれていた。
男の子たちは、あこがれの騎士からの剣の指導を、女の子たちは可愛らしい衣服と優しいお兄さんを心待ちにしている。
「いつも、たくさんご寄付頂いてありがとうございます。子どもたちも、来て下さるのを心待ちにしています」
「はは、お気になさらず。――――出資者がいるので」
「ワフッ!!」
急に吠えたラティ。
こんな風に、遮るように吠えるなんて、珍しい。
「……わかりましたよ。……もっと正直になればいいものを」
「ワフッ!!」