【電子書籍化】飼い犬(?)を愛でたところ塩対応婚約者だった騎士様が溺愛してくるようになりました。
だが、ベルトルトが目を覚ました時に、上級魔術師は、彼に詰め寄った。
いったい、この治癒魔法を使ったのは、誰なのかと。
「うーん。情報が漏れた可能性と、隊長の弱点としてメルシア様が狙われた可能性の両方を考慮したほうがよさそうだ」
ベルトルトは、重いため息をつくと、騎士団長室へと向かうのだった。
***
ランティスが、部屋に戻ると、図書室から借りてきたらしい本を読んでいたメルシアが、顔を上げた。
「お話、終わったんですか? 思ったよりも早かったですね」
「ああ……。そうだな」
どこか上の空の、ランティスの様子に首を傾げつつ、メルシアは立ち上がった。
「ランティス様。隠し事は、なしにして下さい」
「――――メルシア」
結局のところ、二人のすれ違いは、素直になれなかったからだ。
「私……思ったんですけど」
メルシアが、真っすぐにランティスを見つめる。
ごくりと、喉が鳴ったのは、見つめられたランティスだ。
拒絶の空気を感じて、その先の言葉を言わないで欲しいとランティスは願う。
いったい、この治癒魔法を使ったのは、誰なのかと。
「うーん。情報が漏れた可能性と、隊長の弱点としてメルシア様が狙われた可能性の両方を考慮したほうがよさそうだ」
ベルトルトは、重いため息をつくと、騎士団長室へと向かうのだった。
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ランティスが、部屋に戻ると、図書室から借りてきたらしい本を読んでいたメルシアが、顔を上げた。
「お話、終わったんですか? 思ったよりも早かったですね」
「ああ……。そうだな」
どこか上の空の、ランティスの様子に首を傾げつつ、メルシアは立ち上がった。
「ランティス様。隠し事は、なしにして下さい」
「――――メルシア」
結局のところ、二人のすれ違いは、素直になれなかったからだ。
「私……思ったんですけど」
メルシアが、真っすぐにランティスを見つめる。
ごくりと、喉が鳴ったのは、見つめられたランティスだ。
拒絶の空気を感じて、その先の言葉を言わないで欲しいとランティスは願う。