【電子書籍化】飼い犬(?)を愛でたところ塩対応婚約者だった騎士様が溺愛してくるようになりました。
「クゥン……」
今日も、ラティが可愛い。
「うっ、今日もラティが、かわい………。全力で私をダメにしてくる」
「ワフ……」
今日は、メルシアに飛び込んでくることのないラティ。
なぜかいつもより大人しいことを不思議に思いながらも、メルシアはそっとラティのそばにしゃがみ込む。
「ラティ……」
まぶしいものでも見るみたいに、ラティの緑を少し帯びた黄色い瞳が細められた。
しっぽが揺れる。そっと擦り寄る頭を、メルシアは撫でた。