【甘やかしてあげたい、傷ついたきみを。】番外編その2「バー・アズリッシモにて」
「やった! ゴォーーーール!」
日本代表が点を入れたのだろう。
「櫂さーん、ビールお願い」
テーブル席から声がかかり、栗原さんは「ちょっとごめん」と言いながら、冷蔵庫のほうに歩いていった。
「でも、幼稚園からの付き合いって……もうすぐ25年。ということは夫婦だったら銀婚式ですね」
わたしの言葉に、亮介さんはあやうくビールを吹き出しそうになる。
「もう、変なこと言うなよ」
わたしも笑ってあやまった。
「ごめんなさい。でも、ふたりの関係がとっても羨ましくて。そこまで仲のいい友達はいないから」
「まあね。なんやかんや言っても、親より信頼してるかな、栗原のことは」
「素敵ですね」
「女癖が悪いのが、玉に瑕なんだけどな、奴の」
わたしはちょっと思い出し笑いをしてしまう。
さっきの、亮介さんの、本気で心配しているような顔を思い出して。
「心配、いらないから」
「えっ?」
日本代表が点を入れたのだろう。
「櫂さーん、ビールお願い」
テーブル席から声がかかり、栗原さんは「ちょっとごめん」と言いながら、冷蔵庫のほうに歩いていった。
「でも、幼稚園からの付き合いって……もうすぐ25年。ということは夫婦だったら銀婚式ですね」
わたしの言葉に、亮介さんはあやうくビールを吹き出しそうになる。
「もう、変なこと言うなよ」
わたしも笑ってあやまった。
「ごめんなさい。でも、ふたりの関係がとっても羨ましくて。そこまで仲のいい友達はいないから」
「まあね。なんやかんや言っても、親より信頼してるかな、栗原のことは」
「素敵ですね」
「女癖が悪いのが、玉に瑕なんだけどな、奴の」
わたしはちょっと思い出し笑いをしてしまう。
さっきの、亮介さんの、本気で心配しているような顔を思い出して。
「心配、いらないから」
「えっ?」