言えないまま・・・
「ふふ、おかしいでしょ。ただ、抱き合って一緒に寝るだけ。本当にそれだけの関係なの。」

アキは・・・。

どうしてか、安堵している自分がいる。

夏紀さんとアキは、不実な関係じゃなかったんだ。

本当に、夜を一緒に過ごしていただけ。

ただ、それだけ。

「そんなアキを愛していたから、それだけで幸せな時もあったわ。でも、もう限界。私がアキを愛しすぎてしまったの。でも、アキが求める愛に最後まで応えなければ、私のプライドが許さない。」

プライド・・・?

「でも、夏紀さんは、ご主人の理解を得てアキとおつきあいされていたんですよね?あ、お気きを悪くされたらすみません。」

どうしても夏紀さんに確かめたいことがあった。

夏紀さんは、穏やかな笑みをたたえたまま答えた。
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