言えないまま・・・
11章 無謀な提案
1週間後、私はまた同じカフェに来ていた。

アキと待ち合わせてる。

夏紀さんと会ったすぐ後、アキから呼び出された。

どうして呼び出されたのかっていう理由は大方見当つくけど。

時計を見ると13時半。約束の時間だ。

「ごめん、待った?」

息を切らしたアキが走ってやってきた。

なんだか少しだけ頬がやつれてる?

やっぱり夏紀さんとの別れがショックだったのかしら。

アキは上着を颯爽と脱いで椅子の後ろにかけた。

何気ないしぐさにもドキドキしてる私。

夏紀さんがあんなこと言うからいけないのよ。

「なぁ、ハル。聞いたんだろ?」

アキはウェイターさんが持ってきたお冷やに目もくれず唐突に聞いてきた。
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