言えないまま・・・
「やっぱさ、ハルに色々言われて、正直に今好きな女性がいるって伝える方が相手も納得するような気がしてきたんだよね。そのことを言うタイミングが、退院する前のまさに今っていうか。」

深いため息をついて、ブラックを飲む。

前髪のかかった右目がうつろだった。

「でも、別れちゃったんじゃなぁ。今一説得力もないし。・・・なぁ、ハル。」

「うん?」

「俺と付き合わない?」

「へ?」

飲んでいたコーヒーを吹き出しそうになる。

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