言えないまま・・・
そう。

気持ちは重たいけど、これでいいのよね。

私はもう、これ以上アキの近くにいちゃいけない。

優花を紹介するのを期に、距離を置こう。

アキの本心はまだわからないけど、私の気持ちは、もう一歩でも前に進んだら歯止めがきかなくなりそうだった。

いつの間にか、アキに手が届きそうな距離まで自分の気持ちが向いていた。

あれだけ直太に言われていたのに。

私もそれだけは自分には絶対ないって思っていたのに。

ある意味、直太の勘は当たっていたんだね。

こんなに悲しい恋は初めてだ。

直太の声が遠くで響いている。

思わずビールを一口飲んで、笑ってみた。

もう笑うしかないよね。


< 127 / 215 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop