言えないまま・・・
「ハル~。あれ、直太さん?」

しばらくして、優花が現れた。

らしくもない・・・ァ、失礼。

オフホワイトのワンピースにグレーのジャケットを合わせている。

いかにも清楚なお嬢様風。

優花、がんばったわね。

見違えるようにキラキラして見えた。

「やあ、久しぶり優花ちゃん。」

「直太さんまでいらしたんですか!いやだー。恥ずかしいなぁ。」

優花は頬をピンクに染めた。

「何恥ずかしがってるのよ。それにしても、今日はなかなか女性らしい素敵な服装じゃない。そんなの優花持ってたっけ?」

少しいたずらっぽく言ってみる。

「もぉ。ハルは意地悪だなー。この日のために新調したっての!」

優花は満面の笑みで、私の腕を軽く叩いた。

直太もまぶしそうな目で優花を見つめた。

「いつの間にこんなにきれいになったの?やっぱり恋する女性は違うね。」

直太のそんな話も、くだらない戯れ言にしか聞こえないほどに私の神経はねじ曲がっていた。

でも、今日の優花は、本当に見違えるほどにすごくきれいだった。

「ねぇ、ハル。らしくもないワンピース着てきちゃったけど、どうかなぁ?大丈夫?」

優花は頬を染めながら、不安そうな表情で聞いてきた。
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