言えないまま・・・
「うん、とても似合ってるよ。」

私は、心からそう思って言った。

そして、そんなまぶしい優花に優しく微笑んだ。

直太はまじまじと優花を見つめて、

「アキに紹介するの、なんだかもったいないよな。」

と、満足気な表情で私に向かって言った。

私も、直太に笑顔で頷いた。

優花は「すみません！」なんて言いながら、恥ずかしそうに目をふせた。

とっても素敵だよ。

優花。

これならアキも、目を見張るかも。

優花のまぶしい姿を見ながら、嬉しいのに、少しずつ心が沈んでいった。

「それにしても。」

直太は腕時計を見た。

「あいつ、遅いな。こんな素敵なレディを待たせるとは何事だよ。」

ほんとだ。

時計を見ると、待ち合わせの時間を１０分も過ぎていた。

いい加減なアキだけど、時間とかには結構きっちりしてるんだけどな。

何かあったのかな。
< 130 / 215 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop