言えないまま・・・
「ごめんね。アキ。」

小さな声で言う。
 
アキはスッと私から目をそらした。

「ごめんとかそんなことよりさ、体は大丈夫なのかよ。」

「うん・・・大丈夫って言いたいところだけど、そうでもないんだよね。」

アキは、ふーっとため息をついた。

「俺って、そばにいる大事な人を不幸にしちゃう人間なのかもな。」

アキは三角座りをして、うつむいた。

頬にかかった横髪が随分伸びたような気がする。

「そんなことないよ。」

アキの言ってることよりも、こうしてアキの横顔を見つめられる幸せを感じていた。

「ふふ、ハルが言っても全く説得力ないぞ。」

アキは少しだけ笑って私の方を見た。

そして、じっと見つめながら、

「ハル、お前ちょっと見ない間に痩せたな。」

とつぶやくような声で言った。

そう?かな。

自分の顔なんか鏡でまじまじ見ることなんてほとんどないし、体重計にも随分長いことのってない。

「ひょっとして、俺のせい?」

口調だけはいたずらっぽいけど、アキの目は寂しげだった。

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