言えないまま・・・
16章 妊娠
「体調は、どう?」
アキの方から聞いてきた。
まるで、私の気持ちを察するかのように。
「うん。そのこともあって電話したんだ。」
「悪いのか?」
「悪いっていう表現は適切じゃないと思う。」
「じゃ、悪くないの?」
アキは少し笑った。
「そういうんじゃなくて。」
私も笑った。
ただ、これだけのくだらない会話なのに、体の芯から温かくなってゆく。
「そういうことも、全部、会って話したいの。」
我ながらしつこいなって思う。
電話の向こうで静かなため息が聞こえた。
「ハルって、相変わらずっていうか。自分の意見は絶対曲げない性格なんだね。」
な、何よ。
お見通しみたいな言い方。
ちょっとムッとした言い方で返す。
「大事な話は電話ではしたくないだけよ。」
「はは、そういう切り返し方もハルのまんま。」
くそっ。
って言ったものの、不思議なほど腹は立たなかった。
今はアキの全てを受け入れられる様な気がする。
アキの方から聞いてきた。
まるで、私の気持ちを察するかのように。
「うん。そのこともあって電話したんだ。」
「悪いのか?」
「悪いっていう表現は適切じゃないと思う。」
「じゃ、悪くないの?」
アキは少し笑った。
「そういうんじゃなくて。」
私も笑った。
ただ、これだけのくだらない会話なのに、体の芯から温かくなってゆく。
「そういうことも、全部、会って話したいの。」
我ながらしつこいなって思う。
電話の向こうで静かなため息が聞こえた。
「ハルって、相変わらずっていうか。自分の意見は絶対曲げない性格なんだね。」
な、何よ。
お見通しみたいな言い方。
ちょっとムッとした言い方で返す。
「大事な話は電話ではしたくないだけよ。」
「はは、そういう切り返し方もハルのまんま。」
くそっ。
って言ったものの、不思議なほど腹は立たなかった。
今はアキの全てを受け入れられる様な気がする。