言えないまま・・・
7章 彼女
ある晴れた日の午後。
近所のパン屋さんで、大好物のチョコレートクロワッサンを二つ買う。
クロワッサンの袋を抱えて、家から15分ほど歩いたところにある緑の芝生がきれいな公園へ行った。
芝生の向こうには子ども達が遊べるような遊具がたくさんあって、楽しそうに遊ぶかわいらしい声が響いている。
お決まりの木陰のベンチに座って、袋を開けた。
一口ほおばると、パリパリの香ばしいクロワッサンの生地の向こうから、トロンと甘いチョコレートがあふれ出てきた。
こぼれないように口で吸い上げるようにして食べるのがコツ。
一つ食べ終わると、読みかけの単行本を開いて読み始めた。
気持ちのいい風が、時々私の耳元をすり抜けていく。
至福の時間だ。
ふいに、私の足元にサッカーボールが転がってきた。
顔を上げると小さな男の子の手をひいたお母さんらしき女性が頭を下げて近づいてきた。
「まだ方向を操れないで蹴るもんですから・・・申し訳ありません。」
その女性は、丁寧におじぎをした。
「足などに当たってませんか?」
心配そうに聞いてきた。
近所のパン屋さんで、大好物のチョコレートクロワッサンを二つ買う。
クロワッサンの袋を抱えて、家から15分ほど歩いたところにある緑の芝生がきれいな公園へ行った。
芝生の向こうには子ども達が遊べるような遊具がたくさんあって、楽しそうに遊ぶかわいらしい声が響いている。
お決まりの木陰のベンチに座って、袋を開けた。
一口ほおばると、パリパリの香ばしいクロワッサンの生地の向こうから、トロンと甘いチョコレートがあふれ出てきた。
こぼれないように口で吸い上げるようにして食べるのがコツ。
一つ食べ終わると、読みかけの単行本を開いて読み始めた。
気持ちのいい風が、時々私の耳元をすり抜けていく。
至福の時間だ。
ふいに、私の足元にサッカーボールが転がってきた。
顔を上げると小さな男の子の手をひいたお母さんらしき女性が頭を下げて近づいてきた。
「まだ方向を操れないで蹴るもんですから・・・申し訳ありません。」
その女性は、丁寧におじぎをした。
「足などに当たってませんか?」
心配そうに聞いてきた。