言えないまま・・・
写真を撮り終えると、アキは、ふふんと鼻で笑いながら、

「お幸せに~。」

とひらひらと手を振って、そのまま会場から出て行った。

「アキの奴。相変わらずだな。」

直太は軽くため息をついて、アキの背中を見送っていた。

アキって・・・。

格好いいけどなんだか悪っぽい感じ。

軽いし、こんな奴にひっかかったら絶対幸せになれなさそう。

そういう点では、直太の方が旦那にするにはずっとマシかもね。

その後も、ちらちらとアキの座っていた席を見ていたけど、結局、それきり戻ってこなかった。

どこ行ったんだろ?

従兄の披露宴で途中退席だなんて、聞いたこともないわ。

ま、別にどうでもいいことだけどね。
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