言えないまま・・・
披露宴も終わり、ホテルの部屋に直太と向かった。

ふ~、親友達としゃべれたのは嬉しかったけど、疲れたぁ!

私は持ってきた大量の荷物を床に置いて、ベッドに倒れ込んだ。

「こらこら、せめて自分の荷物くらい整理してから寝っ転がれよ。」

また直太のお小言だ。

ほんと、どこまで細かいんだか。

神経質男って嫌われるのよって喉まで出かかったけど、今日は喧嘩する元気もなく素直に直太に従った。

「はいはい。」

私はむっくり体を起して、とりあえずバッグ詰め込んだお祝のお花やらお品をテーブルに並べていった。

その中に、今日の披露宴の席次表が紛れ込んでいた。

席次表を開いてまじまじと眺める。

よくもまぁ、100名も呼んだもんだわ。

私関係はそのうち3分の1もいるかしら?

直太の方はほとんど会社関係。

会社の付き合いも楽じゃないわね。

その中にふと「日色 アキ」の名前が目に飛び込んできた。

あ、あの変な従弟だ。
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