言えないまま・・・
それにしても、アキって。

本当のアキの姿ってどこにあるんだろう。

どうでもいいことなのに、やっぱり気にならずにはいられなかった。

これが、直太の言ってた「狂わせる」ってことなのかしら。

窓に映る自分の横顔を見ながら、ぼんやりと考えた。

その時、携帯が鳴った。

アキ?

震える胸で携帯を開けた。

「あ、野山優花・・・からか。」

見た途端、急に肩の力が抜ける。 

優花は高校時代からのつきあい。

もちろんこないだの私の結婚式にも喜んで来てくれた、信頼できる友人だ。
< 79 / 215 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop