硝子の枕⑤/足長オジサンでリッチに寝る❓❓💛エロティックブラックの読切り第5話です♪

その3

「えーと、名前聞いてもいいかな❓」

「シノブです❣」

「シノブさん…、大変失礼だが、最初に尋ねたい。確かに私はあの高額寄付の当人だが、それの報道とかの動画をエッチの最中にBGM変わりって趣向、キモイいとか思わないかい?」

「別にです」

シノブはあっさりだった。

「外国人の困った人に億単位の寄付なんて、バッカみたい、もったいないとかって思わないのか?ないしは、そんなに金余ってる老人なら、うまいことやって少しいい思いをとかって…」

まさに精一郎はズバリと問いかけた。

「心の奥底にはあるかな。でも、そこは誰でもってレベル程度で…」

「キミたちの年代ってどこか淡白だな。いじらしいほど…。そんなキミには告白したい。聞いてくれるか?こんな年晒して、ホテトル狂いな理由を…」

「私でよければ…」

ここで、精一郎はついに誰にも告げていなかったそれを、単なる一度きりのエッチ相手に渾身の告白を晒すのだった~!


💛💛💛


彼の激白は約5分…。
で…、それはかなり端的にシノブへ伝わったのであった。

だが、その中身は極度にディープかつショッキングと言えたわけで…。
正直、25歳の彼女はあっけにとられ、心持ち顔面蒼白となった。

「おじさん!お名前、教えてください!」

「山際精一郎って名だ」

「山際さん、今日はめいっぱい抱いてください‼」

そう言って、シノブはか細い70越えの年寄りを強引気味にベッドへ押し倒すように抱き着いた。
んで、このままエッチ開始となるのだが…⁉


💛💛💛


シノブは今日の客たるオトコに抱かれ、恍惚の表情で悶えていた。
ホンキで感じていた…。

”足長おじさん、もうじき、足長じゃなくなっちゃうんだよ‼足短くなっちゃうんだ!膝から下、お医者さんに切られて…。そしたら、今まで見たいなフツーなエッチできなくなっちゃうって‼”

”長い間、汗水たらして稼いだお金を納得して使い果たして、人とのぬくもりを貪って…。足長じゃなくなっちゃうまでに、燃え尽きようとしてたんだ、精一郎さんは…‼”

重度の糖尿病を患った、天涯孤独の、だが資産家ではある72歳のいちオトコ…。

彼の内なる絶叫は人としての良心を捨てずとも、それに隷属されることなく、ホントの欲望に正直な完全燃焼を願っての奇人まがいな性交渉…。

両足のひざ下切断を半月後に控え、このオトコは闘っていたのだろう。

そして、幸運にも、その理解者を彼はゲットできた。
失うものを超える、大きく温かいそれを…。




FIN


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