トップアイドルの恋〜好きになってもいいですか?〜
その数日後も、明日香はサザンクロスの控え室に来ていた。

陽子にスケッチブックを見せながら、何やら真剣に話している。

「それで、ジャケットの雰囲気が大人っぽい分、スカートで少し甘い感じを出したくて。パニエを入れて、ボリュームを出したいんです。こう丸く、でもパリッと、傘みたいに」
「傘?!ま、まあ、分かるけどね」

陽子は苦笑いする。

「それと、スカートから少しパニエも見えるようにしたいんです。スカートの布をこう…漢字の "人" みたいにして」
「人?!あっはは。明日香ったら表現が独特!まぁ、分かりやすいけどさ」
「ええー?変ですか?」

陽子に笑われて、明日香は少し頬を膨らませる。

その姿をじっと見ていた瞬は、ハッと我に返って、手にしていたジャケットに腕を通す。

(何見てんだ?俺)

妙に心臓がドキドキする。

「どしたの?瞬。顔が赤いけど」
「え、おい、熱でもあるのか?」

優斗と充希が心配そうに近付いて来る。

「違う。なんでもない」

そう言って急いで部屋をあとにした。
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