トップアイドルの恋〜好きになってもいいですか?〜
どうにも気になって、声をかけてみる。
「明日香」
「え?あ、瞬くん!」
いつもなら没頭して呼びかけに気付かないのに、今日は珍しくすぐに振り返る。
「それ何?何やってるんだ?」
「え?ああ、これね。えへへー」
照れたように笑って、手にしていた物を見せる。
「なんだと思う?」
「ん?ただのハンカチ、スカーフとか?」
「そう。ただのこの布がね…」
そう言って、なにやらモゾモゾと手をグーにして握っていたかと思うと、ぱっと開いた。
「ほら!…あ」
赤いバラが出て来た!と思った瞬間、明日香の手からボトッとそれは落ちた。
「あ〜あ、全然上手くいかない」
明日香のため息を聞きながら、瞬はそれを拾い上げてマジマジと眺める。
ただの布だと思っていたが、先端にバラの造花がくっついている。
そして、布を軽くしごいてみると、緑色の茎が少し現れた。
「ふうん、手品か。つまりこういう事?」
瞬は、右手の親指と人差し指で布を摘むと、他の3本の指の中に花を隠した。
ヒラヒラと布を振ってみせたあと、両手でサッと布をしごく。
右手をぱっと離すと…左手に1輪のバラの花を持っていた。
「明日香」
「え?あ、瞬くん!」
いつもなら没頭して呼びかけに気付かないのに、今日は珍しくすぐに振り返る。
「それ何?何やってるんだ?」
「え?ああ、これね。えへへー」
照れたように笑って、手にしていた物を見せる。
「なんだと思う?」
「ん?ただのハンカチ、スカーフとか?」
「そう。ただのこの布がね…」
そう言って、なにやらモゾモゾと手をグーにして握っていたかと思うと、ぱっと開いた。
「ほら!…あ」
赤いバラが出て来た!と思った瞬間、明日香の手からボトッとそれは落ちた。
「あ〜あ、全然上手くいかない」
明日香のため息を聞きながら、瞬はそれを拾い上げてマジマジと眺める。
ただの布だと思っていたが、先端にバラの造花がくっついている。
そして、布を軽くしごいてみると、緑色の茎が少し現れた。
「ふうん、手品か。つまりこういう事?」
瞬は、右手の親指と人差し指で布を摘むと、他の3本の指の中に花を隠した。
ヒラヒラと布を振ってみせたあと、両手でサッと布をしごく。
右手をぱっと離すと…左手に1輪のバラの花を持っていた。