トップアイドルの恋〜好きになってもいいですか?〜
振り返ると、控え室のドアを開けた紗季が、1歩後ずさりながらこちらを見て固まっている。

「ちょ、え、なんで瞬が?」
「あ、紗季さん。うふふ、ちょっと秘密のレッスンをね」
「そう。瞬くんに教わってて」
「ねー!」

りな達3人は、顔を見合わせながら、いたずらっ子みたいに笑う。

た、大変!陽子に…
何やらそう呟くと、紗季は踵を返した。

「あら?紗季さん行っちゃった」
「じゃあさ、あとで紗季さんに見せてびっくりさせちゃおうよ!」
「いいねー!じゃ、曲に合わせて練習しよ!」

3人がそう言い、明日香はスマホのボリュームを上げてから音源を流した。

It's magic!の最後の部分を再生する。

「最初に2歩ゆっくり前にね。せーの!」
「ワンツー、スリーフォー、布を出す…」
「次のワンで花を出して…」
「ファイブ!」

『It's magic…』

大人っぽく呟いたあと、3人はラストのジャン!という音に合わせて後ろ向きのポーズを決めた。
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