トップアイドルの恋〜好きになってもいいですか?〜
ぼう然としてベッドに座ったままだった明日香は、やがてふと、瞬がつけていったテレビに目を向ける。
何かのドラマが始まったところだった。
(これって…)
音量を上げると、サザンクロスの歌が聞こえてきた。
(瞬くんのドラマだ)
なんだかんだで、見るのは初めてだった。
どんな話なのかも分からない。
でも明日香は、テレビの中で演じる瞬から目が離せなくなった。
女の子と2人きりでデートをしているらしいシーンでは、そんな笑顔でその子を見ないでと嫉妬したりする。
そしてそんな自分に少し驚いた。
やがて、瞬だという事を忘れるくらい話に引き込まれていく。
海沿いの遊園地。
2人でコーヒーを飲みながら海を眺めている。
とても絵になるシーンだった。
ふと、主人公がコインを取り出し、ピンと指で弾いてから、彼女にどっち?と尋ねる。
彼女が、表!と答えると、そっと手を離す。
そこにはあるはずのコインがない。
え?と明日香も思わず画面に顔を寄せる。
と、次の瞬間、クルッと返した手のひらの中から、ひよこが2匹現れた。
「あっ!」
思わず明日香は手で口を覆う。
「うそでしょ…あれ、私の…」
ひよこを嬉しそうに眺める彼女の横顔を、優しく見つめて微笑む瞬の顔がアップになる。
明日香は、急に涙が溢れ出した。
(あのひよこ…瞬くん…私にやって欲しかった。私の横で優しく笑って欲しかった。あの女の子じゃなく、私に…)
胸が張り裂けそうに切なくなった。
たまらず声を上げてしゃくり上げる。
「瞬くん…瞬くん!」
思わず何度も名前を呼ぶ。
やがてドラマは終わり、画面にエンドロールが流れる。
出演者 柏木 瞬
そのあと何人もの名前が流れ、最後に表れた文字に、明日香は驚いて目を見開いた。
特別出演 ひよ子とぴよ子
「瞬くんたら…」
明日香は、ふふっと笑ったあと、また涙が止まらなくなった。
(私、瞬くんが好きなんだ)
もはや認めざるを得なかった。
何かのドラマが始まったところだった。
(これって…)
音量を上げると、サザンクロスの歌が聞こえてきた。
(瞬くんのドラマだ)
なんだかんだで、見るのは初めてだった。
どんな話なのかも分からない。
でも明日香は、テレビの中で演じる瞬から目が離せなくなった。
女の子と2人きりでデートをしているらしいシーンでは、そんな笑顔でその子を見ないでと嫉妬したりする。
そしてそんな自分に少し驚いた。
やがて、瞬だという事を忘れるくらい話に引き込まれていく。
海沿いの遊園地。
2人でコーヒーを飲みながら海を眺めている。
とても絵になるシーンだった。
ふと、主人公がコインを取り出し、ピンと指で弾いてから、彼女にどっち?と尋ねる。
彼女が、表!と答えると、そっと手を離す。
そこにはあるはずのコインがない。
え?と明日香も思わず画面に顔を寄せる。
と、次の瞬間、クルッと返した手のひらの中から、ひよこが2匹現れた。
「あっ!」
思わず明日香は手で口を覆う。
「うそでしょ…あれ、私の…」
ひよこを嬉しそうに眺める彼女の横顔を、優しく見つめて微笑む瞬の顔がアップになる。
明日香は、急に涙が溢れ出した。
(あのひよこ…瞬くん…私にやって欲しかった。私の横で優しく笑って欲しかった。あの女の子じゃなく、私に…)
胸が張り裂けそうに切なくなった。
たまらず声を上げてしゃくり上げる。
「瞬くん…瞬くん!」
思わず何度も名前を呼ぶ。
やがてドラマは終わり、画面にエンドロールが流れる。
出演者 柏木 瞬
そのあと何人もの名前が流れ、最後に表れた文字に、明日香は驚いて目を見開いた。
特別出演 ひよ子とぴよ子
「瞬くんたら…」
明日香は、ふふっと笑ったあと、また涙が止まらなくなった。
(私、瞬くんが好きなんだ)
もはや認めざるを得なかった。