トップアイドルの恋〜好きになってもいいですか？〜

するとふいにそのスケッチブックの上に、雑誌がポンと置かれた。
話の中心にいた佳奈(かな)が、明日香の顔をのぞき込む。

「ねぇ、明日香なら誰がいいと思う？」
「ちょっと、無理だよ、佳奈。明日香、アイドルに興味ないもん」
「だからだよ。客観的に見てさ。ね、ほら」

いつの間にか、女の子の群れは明日香の周りに集まってきていた。

「ええー？あんまり違いが分からない…」
そこまで言って顔を上げると、皆の真顔に慌てて取りつくろう。

「あ、ほら。どの人もみんなカッコイイもんね」
「それは分かってる！その中であえて言うなら？」
「うーん、そうだな…」

仕方なく明日香はその雑誌を手に取り、写真に目を落とす。
と、とたんに目が離せなくなった。

(ステキ！この衣装。ジャケットのデザインが斬新！それにこの襟と袖の折り返しもすごく凝ってる…)