トップアイドルの恋〜好きになってもいいですか?〜
明日香は、もう一度スクールバッグをゴソゴソ手探りして、スケッチブックを取り出した。

今まで自分が描きためてきたデザイン画を見直す。

(ダメだ、これだと写真に写ったとき、違うイメージになっちゃう。色合いも、素材も)

明日香はふうとため息をついて、ベッドに倒れ込むと、ぼんやりと天井を見ながら考え込んだ。


次の日。
「え、いいの?ほんとに?」
電話口から嬉しそうな紗季の声が聞こえる。

「はい。私なんかがお役に立てるか分かりませんが、精一杯やらせて頂きます」
明日香は、電話にも関わらず深々と頭を下げた。

デザイナーになりたいと漠然と思っていたが、ただデザイン画を描くことしかしてこなかった自分に、このアルバイトの話は、とても良い経験をさせてもらえるのではないか、そう考えて思い切ってやってみることにしたのだ。

ただ…
なぜ紗季が、何も知らない女子高生の自分を熱心に誘ってくれるのかは、いくら考えても分からなかった。
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