トップアイドルの恋〜好きになってもいいですか?〜
それからは2人で、ああでもない、こうでもない、ワイヤーを入れるか、いや素材を変えるかなど、試行錯誤しながら花びらのスカートを作っていく。

何度目かの仮縫いのあと
「うん、いいかも!」
紗季は、少し離れて確認し、明日香に笑顔を向けた。

明日香も隣に並んで、衣装を見てみる。

イメージしていたものが、目の前に存在していることに感動して胸が一杯になった。

(すごい…本当に形になってる)

それは初めての経験だった。

明日香1人では、出来なかっただろう。
ほとんど、紗季の指示に従っていただけで、自分ではどうすればいいのか、技術的なことは全く分からなかった。

「ありがとうございます!」
思わず頭を下げると、紗季は笑った。

「やだ、なんで明日香がお礼を言うのよ」
「あ、嬉しくてつい…」
「ふふ、明日香、この仕事向いてるわ」

そう言って紗季は、ポンと明日香の肩を叩いた。
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