トップアイドルの恋〜好きになってもいいですか?〜
次の火曜日、明日香はいつぞやのテレビ局に来ていた。

(ちょうど4時半か…)

腕時計を確認し、車道をキョロキョロ見回してみる。

すると、背後から
「明日香ー!こっちこっち!」
と自分を呼ぶ声がした。

振り向くと、紗季が搬入口のカウンターの横で手招きしている。

明日香は急いで走り寄った。

「お疲れ様です。すみません、紗季さんてっきり前回と同じように車で来られると思ってて」
「ううん、いいの。先に来てること言ってなかったしね」

そう言って紗季は、はいと明日香に何かを渡す。

「何ですか?これ」

それはテレビ局の名前とロゴが入ったカードだった。
よく見ると、小さく名前が印字されてある。

【オフィス クリスタル 小池 明日香】

(え、これって…)

「申請してた明日香のID、ようやく出来たんだ。このテレビ局に入る時はこれを機械にタッチしてね。帰る時も同じ。これで私と一緒じゃなくても1人で出入り出来るから」

ほえー!と明日香はのけ反り、カードを両手に持ってしげしげと眺める。

(なんだか…すごい!)

くれぐれも失くしたり、誰かに見せたりしないようにね!
と紗季に言われ、はい!と大きく頷く。
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