トップアイドルの恋〜好きになってもいいですか?〜
そんな御大層なものじゃ…と、しぶしぶ明日香はジャケットに腕を通す。

スカートは濃紺のチェック柄で、同じく濃紺のジャケットは所々パイピングが施してあり、胸にはエンブレムが付いている。

首元に付けるリボンもあるのだが、今はジャケットのポケットに入れたままだ。

今日、仕事に来る前に私服に着替えようと思っていたのだが、思いのほか時間が取れず、仕方なくブラウスとスカート姿で来たのだった。

「わー、可愛い!」
「おしゃれな制服だね!」
「ほんとー!これぞJKって感じ!」

3人は明日香の周りをぐるぐる回る。

「え、みんなもJKじゃない」
明日香が言うと、3人は少しトーンダウンした。

「うーん、私達ほとんど学校に行ってないもんね」

あ、そうかと明日香は言ってしまったことを後悔した。

(こんなに忙しいアイドルだもん。きっと芸能コースの学校で、ほとんど通う暇もないよね)

「みんなは、日本中の女の子が憧れるアイドルだもんね。私なんかとは住む世界が違うよ。顔のレベルも別次元に可愛いし」

お世辞ではなく本気でそう言うと、3人は嬉しそうに、ありがとう!と笑った。
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