トップアイドルの恋〜好きになってもいいですか?〜
「明日香、ごめん。生地の発注でトラブったの。急がないと間に合わない。悪いんだけど、この現場、あとはあなた1人でやってくれる?」
「え、ええ?」

(この現場って…今日は生放送の歌番組じゃ…)

サーッと血の気が引くのを感じる。
でも、紗季の言う発注のトラブルもよほど深刻なのだろう。

「お願い!もう衣装は着替え終わってるし、リハも済んでる。あとは3人が本番で歌うだけよ。終わったら衣装を回収して、タクシーでオフィスに戻ってきて。これ、タクシーチケット」
「は、はい!」
「じゃ、宜しくね!何かあれば私の携帯に連絡して!」

そういい残すと、紗季は急いで部屋を出て行った。

明日香はしばらく、ぼう然と立ち尽くす。
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