トップアイドルの恋〜好きになってもいいですか?〜
「続いては、コットンキャンディの皆さんです!」
「こんばんはー」
「宜しくお願いします!」

MCの紹介を受け、3人は笑顔を振りまく。

「コットンキャンディの皆さんには、新曲フェアリーテイルを歌って頂きます。今夜がテレビ初披露なんですよね?」
「そうなんです」
「ようやく皆さんに見て頂けるので、私達も楽しみにしてきました」
「ドキドキですが、がんばります!」

にこやかにトークは続く。
さっきまでトラブルがあったとは、微塵も感じさせない。

(さすがだなぁ。プロだよ、みんな)
明日香は感心する。

「そして今日も可愛らしい衣装ですね」
MCに話を振られ、3人はまた一段と声を弾ませる。

「そうなんです!曲に合わせてフェアリーのイメージなんです」
「私達もすごく気に入ってて」
「踊るとふわふわ揺れるところとか、ぜひ注目して頂きたいです!」

「そうなんですね。それは楽しみです。では、歌のスタンバイお願いします」

はい!と笑顔で答えて、3人はステージに移動する。

中央に来ると3人はそれぞれ手を伸ばして重ね、りなが2人の顔を交互に見ながら何か声をかける。
2人は頷き、最後に3人で手に力を込めて気合いを入れると、それぞれ最初のポーズを取った。

「さあ、ではまいりましょう。今夜がテレビ初披露です。コットンキャンディで、フェアリーテイル」

曲紹介のあと、画面は3人の手元のアップに切り替わる。

オルゴールの音色が、おとぎ話の始まりを告げるようにゆっくり流れたあと、曲は一気にアップテンポに変わった。
3人の笑顔が、パッと弾ける。
カメラも、りな達1人1人のキュートな笑顔を捉えていく。

(す、すごい。みんな、すごいよ!)

さっきまでハラハラしていた明日香だったが、今はもうただ3人のパフォーマンスに引き込まれていた。
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