トップアイドルの恋〜好きになってもいいですか？〜

「ねぇ、明日香。その人ね、今をときめくトップアイドルよ。明日香曰く、ナントカってグループのね」

いたずらっぽい口調でそう言う紗季に、ええー？！と明日香は驚く。

(トップアイドルって…佳奈ちゃん達が追っかけてるあのグループ？)

「ね、その人どんな顔の人だったの？」
「え、いや、あんまり覚えてないです。暗かったし、なにより縫うのに必死で…」

そう言うと、紗季はますますおもしろそうに笑った。

「直接会っても気付かないんだー。ホントに明日香、アイドルに興味ないんだねー。
いやー、いるんだ、そんな女子高生。あはは」

ひとしきり笑ったあと、ようやく紗季は落ち着きを取り戻し、明日香に向き合う。

「ね、どうして私が明日香にここのアルバイトをお願いしたか、分かる？」
「いえ、それずっと考えても分からなくて…」
「あのね、明日香が彼らの事を、ナントカってグループって言ったからよ」
「…は？」

ますます分からない。
紗季は、またもやおかしそうに笑ったあと話してくれた。