トップアイドルの恋〜好きになってもいいですか?〜
「仕事が忙しくてね、私のアシスタントになってくれる人を探してたの。でもほら、芸能界に関わるお仕事でしょ?だから、普通の子じゃ無理なのよ。アイドルの追っかけやってる子なんて論外。もし現場で会った時に、仕事そっちのけで彼らに近付いたり、隠し撮りしたり、サインねだったり。万が一こっそり私物を盗む、なんてことになったら大変だからね」

想像して、明日香は恐ろしさに両手を頬に当てた。

「アイドルに興味ないって言ったら、うんと年配の方か…でもコットンキャンディのスタイリストなら、やっぱり彼女達と話が合う若い子の方がいいし、なんてずっと悩んでたのよ。アイドルに興味のない若い女の子なんているのかなーって思ってたら、偶然明日香に会って…」

また思い出したのか、紗季はくくっと笑いをこらえる。

「びっくりよ。サザンクロスのことをナントカってグループって言うなんて。今や、世のおじさま方、ううん、おじいちゃんおばあちゃん世代でも名前くらいは知ってるわよ?」
「あ、サザンクロス?!聞いたことあります!」

明日香がそう言うと、紗季はさらに笑い出した。
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