トップアイドルの恋〜好きになってもいいですか？〜

佳奈とは、今年初めて一緒のクラスになったので、そんなことはまるで知らなかった。

「そうだったんだ。全然想像つかないよ。佳奈ちゃん、いつも明るくて可愛くて、みんなの中心にいる人だもんね」
「やだ！明日香ったら。そんなこと言ってくれるなんて嬉しい！」

頬に手を当てて明るく笑う佳奈は、お世辞ではなく本当に可愛い。

(好きなことをしていると、人ってキラキラ輝くんだなあ)

明日香はぼんやりと考えていた。

やがて駅に到着し電車を降りると、佳奈は迷うことなくテレビ局までの道をスタスタ歩く。

5分程歩いたところで、前方に女の子達の集まりが見えてきた。

「あ、もうみんな来てる！」

そう言うと佳奈は、小走りで近付いて行く。

あ、かなー！久しぶり！元気？
うん、みんなも元気？
と、顔なじみらしい人達と手を握り合って再会を喜んでいる佳奈を、明日香は少し離れたところで見ていた。

すると、ふとこちらを振り向いた佳奈は、タタッと戻ってきて、
「ありがとう！明日香。あとは大丈夫。また学校でね！」
そう言って再び女の子達の輪の中に戻って行った。