トップアイドルの恋〜好きになってもいいですか?〜
(はぁー、疲れ…た…)

ヨロヨロとベッドに近付くと、明日香はそのままうつ伏せに倒れ込んだ。

時計の針は、もうすぐ23時になろうとしている。

(お風呂に入って早く寝よう)

そう思いつつ、体がすぐには動かない。
こんな疲労感は初めてだ。

でも…と明日香は思う。
(こんな達成感も初めて)
今日1日を思い出し、自然と笑顔がこぼれる。

(可愛いかったなあ、3人とも。コラボの時は、もうお姫様みたいだった。衣装チェンジもバッチリで良かったー。そのあとのフェアリーテイルも、本領発揮でキラキラしてたし)

明日香はポケットからスマートフォンを取り出すと、紗季に撮ってもらった写真を見返す。

クリスマス衣装のコットンキャンディと、その真ん中には明日香…
そして皆の首元には、雪の結晶のネックレスが光っている。

本番を終えて控え室に戻ってくると、3人は明日香にお礼を言って、このネックレスをプレゼントしてくれたのだ。

「とっても可愛い衣装をありがとう!」
「少し早いけど、私達からのクリスマスプレゼント」
「ちなみに、みんなお揃いなんだよ!」

そう言って笑いかけてくれる3人に、明日香は涙が溢れて止まらなかった。

「やだ、私ったら。目が真っ赤」

写真の中の自分に笑いながら、明日香は首元のネックレスに手を添える。

(今日のこと、忘れない。ずっとずっと。私の一生の宝物)

明日香は、今まで感じたことのない幸せを噛み締めていた。
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