トップアイドルの恋〜好きになってもいいですか?〜
突然のキス
静まり返った廊下をトボトボと歩いていた瞬は、やがてひと部屋だけ明かりがついているのに気付いた。
近くまで来ると、開け放ったドアから中を見てみる。
コの字に机が並んだ会議室の1番手前、ドアのすぐ近くの椅子に座って、熱心に机の上のスケッチブックに向かっている明日香の後ろ姿が見えた。
(またあいつか…)
そう思って声をかけようとしたが、どうせまた耳に入らないだろうと、吸った息をそのまま吐き出す。
と、手の角度を変えて鉛筆を走らせた明日香が、肘で筆箱を押して床にガシャンと落とした。
「あー、もう〜」
まるで拾う間も惜しいと言わんばかりに、仕方なく散らばったペンを集めて筆箱を拾い、明日香は顔を上げた。
次の瞬間、
「うわっ!!びっくりしたー」
入り口に立っている瞬をみて、目を見開く。
「どうしたんですか?…あ!私、また呼ばれてるのに気付いてませんでしたか?す、すみません!」
早口で謝る明日香に、
「いや、呼んでない」
いつものように短く瞬が答える。
「そうですか…。あ!もしかして、また電気が消えるとか?大変!」
ガタッと、立ち上がる明日香に
「いや、消えない」
これまた短く答える。
「え?あ、そうなんですね」
ようやく落ち着いて座り直した明日香は、首を傾げて瞬を見上げた。
「あの、どうかしたんですか?」
近くまで来ると、開け放ったドアから中を見てみる。
コの字に机が並んだ会議室の1番手前、ドアのすぐ近くの椅子に座って、熱心に机の上のスケッチブックに向かっている明日香の後ろ姿が見えた。
(またあいつか…)
そう思って声をかけようとしたが、どうせまた耳に入らないだろうと、吸った息をそのまま吐き出す。
と、手の角度を変えて鉛筆を走らせた明日香が、肘で筆箱を押して床にガシャンと落とした。
「あー、もう〜」
まるで拾う間も惜しいと言わんばかりに、仕方なく散らばったペンを集めて筆箱を拾い、明日香は顔を上げた。
次の瞬間、
「うわっ!!びっくりしたー」
入り口に立っている瞬をみて、目を見開く。
「どうしたんですか?…あ!私、また呼ばれてるのに気付いてませんでしたか?す、すみません!」
早口で謝る明日香に、
「いや、呼んでない」
いつものように短く瞬が答える。
「そうですか…。あ!もしかして、また電気が消えるとか?大変!」
ガタッと、立ち上がる明日香に
「いや、消えない」
これまた短く答える。
「え?あ、そうなんですね」
ようやく落ち着いて座り直した明日香は、首を傾げて瞬を見上げた。
「あの、どうかしたんですか?」