意味不明彼氏


「蓮は、あたしのどこが好きで付き合ったわけ?」


あたしが睨んでそう言うと、今まで笑っていた蓮はぴたりと笑うのをやめた。


効き目あった。


「さあ………」


あたしから視線を逸らして、静かにそう言った。


そんな彼にあたしの不安はさらに大きくなる。


「分からないなら…、無理にあたしに付き合わなくてもいいんだよ!?」

「は?」

あたしはもう何が何だか分からずに、ただ話だけを続けていく。


「付き合っているのに、どうして好きって言ってくれないの!?」


気付けば頬は涙で濡れていた。


男の前で泣く女は、基本計算高い女がするものだと思っていた。



だけど、あたしは今、泣いている。


蓮はずっと黙ったままだった。


蓮の気持ちが、分からない。


しばらく経ち、蓮はやっと口を開いた。


「……俺が言わなくても気付けよ……」


頭を激しく掻いて、あたしをわざと見ようとしない。


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