意味不明彼氏
蓮は叫んで、あたしに背を向ける。
きっと、真っ赤になっているのだろう。
そう思うと、何だか笑みがこぼれた。
「何か…蓮に話したから、気持ちが軽くなったよ。あんた、すごいよ」
「ははっ。よく言われる」
久々に聞く、蓮のナルシスト発言。
お互い顔を見合わせて、馬鹿なほどに笑った。
祭りの賑やかな音さえ、聞こえず…蓮とあたしの笑い声しか聞こえなかった。
そんな時……。
バーンという、耳にとても響く音が聞こえた。
そして一瞬にして、光が強くなった。
あたしは、光が強い方向に目をやる。
………花火…。