意味不明彼氏
突然鳴った呼び出し音のせいで、蓮があたしから離れる。
「誰だよ?タイミング悪すぎ」
蓮は舌打ちして、あたしを睨む。
……そ、そんな。
あたしを責めないでさ。
あたしだって、蓮と同じ気持ちなんだから。
あたしは蓮から視線を逸らす。
しかし…
あたしにある疑惑が頭の中によぎる。
「ま、まさか…
ストーカーじゃないよね?」
あたしの言葉に、蓮は顔色を変える。
「ありえるな。今の状況を見てたんだ。俺らがキスしようとしたから…」
蓮は自分で言ったくせに、顔を真っ赤にする。
しかし、それもほんの一瞬。
すぐ真剣な表情に戻す。
「俺が見てくる。お前はここで待ってろ」
いつになく、かっこいい蓮。
なんだ。
案外頼りがいがあるじゃない。
蓮は大丈夫だからと言うと、あたしに笑顔を見せる。
そんな彼に、あたしは顔を真っ赤にしていた。