意味不明彼氏
「確かにあたしはまだあんたと身体の関係を持っていない…。委ねないあたしも悪いけど…だからってさ…」
「だから、何もないんだって!!」
蓮はあたしの言葉をムリヤリ遮って、そう叫ぶ。
「何もないわけないじゃない!!腕絡ませて、ラブホ街に向かって歩いてたら!」
あたしも蓮に負けないくらいに叫ぶ。
通行人が、見ないフリをしてあたし等の前を通り過ぎる。
…視線が痛い。
「もういい。とりあえず、中入って」
「ごめん」
蓮は一言謝って、申し訳なさそうに部屋の中に入る。
あたしはソファーにすわり、蓮は自ら床を希望する。
果てしなく続く長い沈黙。
「本当にごめん…」
「謝ってるだけじゃ、分からない。」
あたしは、もうどうしていいのか分からなかった。
ここで別れ話を切り出すのか…?
それとも
もう一度、やり直すのか…?
どっちの選択が蓮の為になるのだろうか…。