意味不明彼氏
後姿
* *
「は?あんた調子のんなよ?」
ボタンがちぎれる勢いで、胸ぐらを掴まれる。
それでもあたしは怯まない。
むしろ、堂々と睨みつける。
あたしは今、屋上で呼び出しをくらった。
呼び出したのは、先輩。
きっと蓮絡みだろう。
「別にあんた等には関係ないじゃん」
あたしはそう笑った。
あたしの態度に頭に来たのか、胸ぐらを掴む手が震えている。
最近のあたしは、ずっとこれだ。
呼び出されては、殴られ…。
傷が絶えない。
あたしから殴ることはない。
そして、絶対に殴らない。
闘うという事は、愛する人を守る為にする行為。
それを教えてくれたのは、蓮。
そして蓮と約束したから。
今日もあたしはヤンキーの女先輩に殴られる。
「弱いくせに、デカい態度とってんじゃねえよ」