意味不明彼氏
* *
「何があったのー!?」
教室に入れば、千明の高い声が痛く響く。
その声のせいで、教室中が一瞬にして静かになる。
みんなの視線があたしに集中する。
その視線に耐え切れず、あたしは思わず後ずさりをする。
千明は最近学校に登校し始めたものの、優の周りは完全に避けている。
優どころか、男子全員。
千明は男子を引き付ける独特のフェロモンの持ち主な為、周りは男子だらけだった。
でも、今は千明の周りは女子しかいない。
「何があったって…。タイマン?」
いや…、違う。
タイマンは1対1だ。
さっきのは、5対1だ。
「はあ!?あんたは、何でそういう事をまたやるかな!?」
また……。
千明の言葉が胸に引っかかる。
"また"って…。
あんたは、あたしを不良少女だと思ってるな…?