意味不明彼氏


そうか。

あたし達…

別れたんだった。


それを痛い程思い知らされた。


いくら掻き消そうとしても、心のもやは消えない。


気付けば、教室の中にいるのはあたしと千明と蓮と優…そして深波だけになっていた。


深波の周りだけは雰囲気が違っていた。

この状況をおかまいなしという感じで、電話をしていた。


「あー、ユイちゃんもういるのー?じゃあ、これから来るねー?」


深波はふぅと息を吐くと、視線をあたしに向ける。


「女ってさ、俺にとっては利用する人間ってしか思えないんだよね。わかる?」


突然、あたしにそういってきた。


……意味がわからない。


でも、この言葉どこかで聞いたことある…。

きっと、蓮の口からも同じような言葉を聞いた。


「結局、栗原千明だって最後は捨てられたじゃん。女もバカだよな。男がひとつ優しくしたらその気になってさ」

………。



その言葉に怒りを覚える。

千明が悪い…?


ふざけるな。

お前に何が分かる。

あたしが深波に、殴りかかろうとしたとき…。




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