意味不明彼氏
* *
「蓮……っ!!」
南との電話を切った直後。
突然、自分の名を呼ぶ震えた声が耳に入った。
蓮はゆっくりと振り返る。
そこには、以前…身体を重ね合わせた事のある女がいた。
「葵…?」
「蓮…っ!どうしよう…!!」
そう言って彼女は、蓮の腕にすがりついた。
「な!?お前、やめろ!!」
蓮は彼女から勢いよく腕を振りほどこうとした。
でも。
彼女の様子がおかしい…。
「おい。どうした」
「あたしと、結婚して!!」
彼女はそう叫ぶと、地面にしゃがみこんだ。
「はあ!?何、言ってんだ!?お前!」
話の流れが全くつかめず、連は首を傾げる。
「どうせ、女が嫌いなんでしょ!?だから、あたしと…ッ」
「……俺、もう昔の俺じゃないから」
蓮は葵の言葉を遮って、そういった。