意味不明彼氏
「はい!だから、以前愛した蓮にも幸せになってもらいたいから…」
葵さんはそう言うと、深い深呼吸をした。
「もう一度…、蓮にチャンスを与えてください…!!」
葵さんは真剣な眼差しであたしにそういった。
そして、頭までも下げた。
「蓮は…、自分の事しか考えない酷い少年だったのに、あなたと出会ったことで彼はすごく変わりました…」
「………」
あたしは何も言えず、ただ頷いていた。
「だから…、彼を捨てないでください」
葵さんの真剣な表情にあたしは心を打たれた。
"恋"とは、人を変える力までも持っているんだ。
「あたし…。」
意を決心し、目を閉じた。
そしてふたたび目を開けて、葵さんの真剣な眼差しと視線が絡み合う。
「蓮に、もう一度告白しようと思います」
あたしは、スカートの裾を強く掴んだ。
もう、どうなってもいい。
壊れてもかまわない。
もう…後悔したくない。
フラれてもかまわない。
だから、あたしはもう一度告白する。