意味不明彼氏
予定、バリバリあったんですけど。
お前にさっき言っただろ!?と、蓮は心の中で訴えたが声に出さない限り伝わる事はない。
心の中で文句を言い続けていたら、いつの間にか話はもう終わっていた様子だった。
蓮は落ち込んでいる南と肩を並べて歩く。
「ありえないでしょ!?何だよ、あの親父!!」
一応工藤はまだ親父と呼ばれるような年齢ではないが、南の怒りが募りすぎている現れだった。
「何で蓮は、あの親父に何も言わなかったの!?」
……言いましたよ、我を忘れてまで。
しかし、蓮のプライドが邪魔をしてなかなかいえない。
「……丁度、いんじゃね?今までが悪かったんだから」
蓮は自分が言った言葉に後悔を抱く。
何で俺はこんなに素直になれないんだろう。
その気持ちが頭の中で大きくなる。
「うー!!これだから、頭良い奴は嫌いなんだ」
南は口をとんがらせて、足を必要以上にあげながら前へと進む。
「でもさ、夜は会えるじゃん。それで我慢しろよ」
この言葉は正直、自分自身に当てた言葉。
「夜ぅ?最高、21時までやるってよ。あたし眠いじゃん」
21時!?
本当、ありえない教師。
人の人生をメチャメチャにしやがって……!
蓮は頭を抱えた。