意味不明彼氏
「お前は今でも問題の解き方を丸暗記しようとする…。それは小学校までだ。」
「じゃあ、どうすればいいの?」
あたしは身を乗り出しながら、蓮にたずねた。
「考えてみろよ、1000いくつもある解き方をお前は丸暗記したいか?嫌だろ?」
「うん、嫌。絶対数学嫌いになる」
「だろ?数学では、なぜそうなるのか?と考えるようにしろ。つまりな、暗記するより理解を重視する事が大切なんだ。そうすればきっと数学が好きになる」
そういうもんなのかぁ?
「大体お前ら馬鹿に共通することは、勉強を嫌々やってる事だよ。嫌々やるから、頭に入らねぇ」
「だって、嫌いだもん」
いくら好きになろうとしても、無理だ。
「勉強は一度ハマれば、面白いもんだよ。」
「そんなの、頭が良い人にしか言えない言葉だよ」
あたしがそう言うと、蓮は一度黙る。
しかし、またあたしの目を見てこういった。
「俺は、そんなに頭良くないよ」
「それ嫌味にしか聞き取れないんですけど」
蓮は、ハァとまたまたため息をついた。
「数学というもんは、衝撃があれば苦手だったのに突然得意になったりするんだ」
「衝撃って?」
あたしは首を傾げる。
「誰かに教えてもらう事で、自力で解けたらお前どう思うか?」
「やっぱり、感動するね」
蓮はあたしの言葉に笑顔で頷いた。
その笑顔にあたしの顔は真っ赤になる。