意味不明彼氏


「雪…、あのさ…」


蓮の呼び止める声にあたしは再び顔を上げた。


「ん、何?」


蓮は、何か言いたげそうに口を閉じたり開いたりする。


……なんだ?


「あの…1時間くらい一人で、勉強できる?」


「……今の調子が続けば……」


「じゃ…、俺1時間くらい出かけてもいいか?」


蓮が申し訳なさそうにこっちを見る。


……1時間も…。


ここで嫌と言ったら、蓮はどう反応を取るのだろうか。


「あー…、別に嫌ならいいし」


あたしの顔に行くなって書いてあるのか、蓮はあたしの気持ちを察した様子。


でも…


「セフレ以外のとこならいいよ」


ていうか、女の子と会う以外ならあたしは大丈夫。


あたしの言葉に蓮は、顔を歪ませた。


「俺…、そんなのいないけど」

そう言った蓮の顔が曇った。


「あら、そうなの。あたしに手出さないからてっきりいると思った」


「……はぁ!?……マジかよ」


蓮は頭を抱えながら、ため息をついた。


…この子はよくため息をつくなぁ…。

< 315 / 372 >

この作品をシェア

pagetop