意味不明彼氏
「雪…、あのさ…」
蓮の呼び止める声にあたしは再び顔を上げた。
「ん、何?」
蓮は、何か言いたげそうに口を閉じたり開いたりする。
……なんだ?
「あの…1時間くらい一人で、勉強できる?」
「……今の調子が続けば……」
「じゃ…、俺1時間くらい出かけてもいいか?」
蓮が申し訳なさそうにこっちを見る。
……1時間も…。
ここで嫌と言ったら、蓮はどう反応を取るのだろうか。
「あー…、別に嫌ならいいし」
あたしの顔に行くなって書いてあるのか、蓮はあたしの気持ちを察した様子。
でも…
「セフレ以外のとこならいいよ」
ていうか、女の子と会う以外ならあたしは大丈夫。
あたしの言葉に蓮は、顔を歪ませた。
「俺…、そんなのいないけど」
そう言った蓮の顔が曇った。
「あら、そうなの。あたしに手出さないからてっきりいると思った」
「……はぁ!?……マジかよ」
蓮は頭を抱えながら、ため息をついた。
…この子はよくため息をつくなぁ…。