意味不明彼氏


あたしはチラッと時計を見る。


……えっ。


気付けばもう14時をさしていた。


嘘だー…。


勉強開始から約5時間。



こんな長い時間あたしは勉強していたんだ。



……初めてかもしれない。


そりゃあ、腹も減るわ。

腹が減っては戦はできぬ。


「先生、何か食べよ」


あたしがそう言うと、先生は丸い物を突然投げてきた。


「これ、一個限定」

あたしの手に乗っているものは、紛れもなくおにぎり。


二合分。


少な!←(人と基準が違う。)


「ケチ…」


誰にも聞こえないようにあたしはそう吐いた。



そういえば…何で先生と蓮は義兄弟なのに、苗字で互いを呼んでいるのだろうか。



「よし、今日はここまでだ!俺は、空港に行って彼女を迎えるから」


先生が大声でみんなに聞こえるように、そういった。


「やった!!」


みんなガッツポーズ。


こんな早くに終われるとは思ってもいなかったよ。
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