意味不明彼氏
みんな帰る準備をしているので、あたしも勉強道具を片付けた。
ノートに書かれる蓮の字とあたしの字がぐちゃぐちゃで、真っ白だったノートはあっという間に真っ黒。
……蓮、字綺麗だなぁ…。
習字でも習っていたのかな。
「ねねねっ、南さんって呼び出しとかくらったりしないんですか?」
一樹とエリ子の前を通り過ぎようとしたら、エリ子に止められた。
「…呼び出し?あー、あの先生に校内放送で呼び出しされるのは日常茶飯事だけど」
あたしはそういって、欠伸をしている先生を指した。
「はー?違いますよー。何かぁー、如月君絡みの呼び出し的な?」
ニヤッと笑みを落としたエリ子。
あたしは、天を見て考えた。
「あー、1回別れた時は何回かキャバ嬢みたいな女共に、呼び出しくらったけど。」
「えー、そんなのじゃないぃーー」
駄々をこねはじめたエリ子。
……な、何だコイツは。
一樹と顔を見合わせて、お互いに首をかしげた。
「どんなのだよ」
一樹が、笑いながらそう言った。
「えー?何か、別れろーみたいな?」
エリ子が可愛らしく舌を出しながら言った。
「何で別れたの?とは言われたことあるけど、別れろ…はないなぁ」
「つかさ、大体さぁ、コイツに刃向かってくる女もある意味すごくね?1言ったら、100返ってくる女だぜ?」