意味不明彼氏
* *
「ねえ、さっき蓮の声したよね?」
あたしは風呂から出て、頭にタオルを被り携帯を持っている優に言った。
「え、ああ、うん。電話したんだよね。そしたら、こっち来るんだって」
………はい?
「何でよ!!」
あたしは優の胸ぐらを掴む。
「や…っ、何か…、一種の妬きもちじゃねえ?あいつ、めっちゃ嫉妬深いから」
優の言葉にあたしの顔は真っ赤になる。
えー…っ
蓮って
あたしに嫉妬してくれるんだあ。
両手を頬において、クルクル一回転。
そんなあたしを、冷めた目で見つめる優。
あたしはそんな優に気付き、さっと元の体勢に戻る。
「で、千明の何が知りたいの?千明のタイプとか?でも、千明はあんたみたいな軽い男好きじゃないよ?」
あたしがそう早口で言うと、優は飲みかけていたスポーツドリンクを吹き出す。
……汚い!!!
人の家に勝手に吹くなって感じ。